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石平著 日本の心をつくった12人 わが子に教えたい武士道精神 [映画・TV・本]

 
2022-01-23 No.5298(So-net 3010+2288) 2020年Blog WebDiary Since 2002

大田区のコロナ感染者は昨日561名でした。
2016年6月1日現在の大田区の人口は71.64万人。

罹患率は0.078%
これが多いのか少ないのか?

そもそもオミクロン株はただの風邪だと言う人もいます。
でも現在コロナにかかると、発熱など怪しいとなると面倒です。

なので、今日もどこも行かず家でパソコンをたたき
料理をして、録画したドラマを見て静かに過ごします。(笑)



今日はこの本の紹介を書きたいと思います。


論語はすなわち儒教のことである――日本人の多くにとっての「常識」であろう。
ところが、実はそうではない。
子供のころ、祖父の摩訶不思議な「教え」から『論語』に接した著者は、のちに儒教の持つ残酷な側面を知り、強い葛藤を抱く。
実際の孔子は「聖人」であったのか?なぜ『論語』は絶対に読むべきなのか? 御用教学・儒教の成立と悪用される孔子、朱子学の誕生と儒教原理主義の悲劇など、中国思想史の分析を重ねた果てに著者がたどり着いた答えは、
なんと「論語は儒教ではない」というものだった。
曇りのない目で孔子の言葉に触れ、『論語』を人生に生かすための画期的な書。
なぜ論語は「善」なのに、儒教は「悪」なのか
日本と中韓「道徳格差」の核心 | 石 平| Amazon

石平さんと言えば、前回はこの本を紹介しました。
儒教と論議、そして中韓の道徳の違いについて学びました。

ここでぜひ知らなくてはならないのは「朱子学」です。

朱子学も儒教なのですが、例えば儒教にとって大事な先祖崇拝と子孫繁栄を
性欲を抑制する一方で子孫繁栄をどう達成するかという現実問題を朱子学は

男の性欲は概ね容認するのだが、女性の性欲は徹底的に抑制することだった。
「なぜ論語は・・・」p186

その結果として明清時代の女性は「守節」「殉節」を強いられ、夫を亡くして
子供がいない女性は死ななくてはならなかったのです。

清王朝が中国を統治した260数年間、500万人以上の女性たちが朱子学と
政治権力から無言有言の圧力下で自らの命を絶つか女を捨てて「守節人生」を
強いられたのです。「なぜ論語は・・・」p197


孔子と儒教の関係、孟子、荀子、そして最悪で残忍な朱子学のこと。
仏教、道教、陽明学などこれらの宗教と儒教の関係も分かります。

とにかく、孔子は儒教の始祖ではないのです!

中韓は儒教、朱子学に支配され、日本は自分たちで論語を
愛読し孔子の精神を心得たという、大きな違い。


朱子学に囚われた中国、韓国と違い、朱子学に反旗を翻した日本の
儒学者たち!

とりわけ「論語」を「最上至極宇宙第一の書」とした伊藤仁斎!
伊藤仁斎 - Wikipedia
なぜ論語は「善」なのに儒教は「悪」なのか = 日本と中韓「道徳格差」の核心 =

と、ここまでが前回の「なぜ論語は・・・」の話です。

こうして朱子学や儒教の呪縛から解き放たれ、孔子が純粋に諭した
論語の教えを忠実に守った日本人は、武士道にその心を引き継ぐのです。

51nEoAcDfzL__SX294_BO1,204,203,200_.jpg この本は

「日本の心をつくった12人 わが子に教えたい武士道精神」というタイトルですが

「武士道がいかに生まれ、いかに武士道を守り、現代日本に武士道を受け継ぐか」
このタイトルに直してほしいと思うほど、武士道を語る本なのです。

ところで、

楠木正成をご存じですか?
湊川の戦い(建武三年 1336年)をご存じですか?

いまでは楠木正成をちゃんと読める子供が何人いるか?

乃木希典をご存じですか?
水師営の会見(明治三十八年 1905年)をご存じですか?
希典をちゃんと読める子供が何人いるでしょうか?

そして平成二十二年(2010年)に起きた「中国漁船衝突事件」をご自身の
身分と生活基盤をすべてなげうってYouTubeに投稿した一色正春氏の名前を
お覚えでしょうか?(僕も知らなかった)

この3人に共通しているのは「武士道は死ぬ事と見つけたり」という葉隠の
精神を実践した見事な「日本武士」だったことです。

楠木正成については、知らない人が多すぎます。
そして乃木希典は司馬遼太郎が愚将扱いにしています。


203高地陥落について、児玉総参謀長は乃木希典大将の指揮に介入し
成功に導いたとドラマでは描かれる。乃木希典の歴史観をもゆがめる。

しかし、日本史の本は203高地を陥落させたのは乃木希典の名前しかなく
児玉の指揮権介入は出てない。これは司馬遼太郎の創作かも知れない。
教科書にない歴史:IDEA's Gallery 2011-12-18

乃木希典について石平さんは

第三軍総司令官である乃木希典のとった戦術戦法について後世にはさまざまな
議論が出ているが(司馬遼太郎のことを言ってるのだろう。いであ談)多大な
犠牲を払いながら三回にわたる正攻法の総攻撃をもってロシア軍の難攻不落の
要塞を陥落させたのは乃木軍であることはまぎれもない事実だ。
(日本の心をつくった・・・p245)

こうして乃木希典を擁護しているのは、乃木がまさに武士であると石平さんが
認めているからほかないのです。

最後に日本と中韓の人間形成の違いを武市半平太の章で石平さんが述べていて
長くなりますが、引用させていただきます。

武市半平太の遊学の遍歴を詳しく調べてみると、彼は特別に儒学を研鑽した
わけでもないことが分かる。半平太は一般教養として論語を読み、儒教の教
えに接していたことはあると思うが、学問に打ち込むタイプの武士ではない。

しかしその人間性の形成と行いにおいて、半平太こそが儒教の理想とする「
君子像」にもっとも近い存在なのである。儒学の本場である中国では、半平
太が生きた江戸時代と同時代の清王朝になると、儒学はたんなる官僚になる
ための「受験勉強」の必須科目だと見なされ、儒教の教えを自らの行いにお
いて実践するような知識人はほとんどいなかった。

老大国の中国で儒学はすでに形骸化されていて、儒学の形が残されていても
心が失われていた。しかし中国大陸から隔てた日本において、しかも日本の
辺鄙の地である土佐藩の田舎の一角で、武士の中でももっとも地位の低い郷
士の家の武市半平太は、儒学の教えを誰よりも心得て、儒学の理想を日々の
行いにおいて誰よりも力行しているのである。
(日本の心をつくった・・・p222)

そして、石平さんはこの本の最後にこう書いてます。

日本はやはり「武士」の国であり、この日本から「武士」と武士道の精神を
なくしてはならない。日本民族が存続していくかぎり、あるいは日本民族が
存続していくために、日本の武士道の精神は永遠に受け継がれるべきである。
(日本の心をつくった・・・p265)

引用が長くなりました。
最後にもう一度

楠木正成をご存じですか?












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