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牛腸茂雄。= 生きることと死ぬこと = [写真・動画]

 
2022-12-07 No.5415(So-net 3127+2288) 2021年Blog WebDiary Since 2002



見に来た写真展は牛腸茂雄です。



写真展の中は写真撮影が可能です。

素晴らしい!



そもそも牛腸茂雄をご存じですか?
牛腸と書いて「ごちょう」と読みます。

牛(うし)は「ご」とも読みます。午は「ご」ですが牛も「ご」と読みます。
話が横道にそれますが



議員宿舎に通ってもう15年になりますが
その通う道に「牛腸工機」という会社があって

それを「ぎゅうちょう」読んで
変な名前の会社だなっとずっと思っていたのです。(笑)



最近NHKの日曜美術館で牛腸茂雄が紹介されて

やっと牛腸を「ごちょう」と読むのだと知ったのです。(笑)




友よ 写真よ 写真家 牛腸茂雄との日々
初回放送日: 2022年10月30日

「彼は自分の人生の残り時間を常に意識して、先を急ぐように生きていた」。家族や友人、近所の子供など、見知らぬ人々のさりげないポートレートで知られる写真家・牛腸茂雄(ごちょう・しげお)。肉体的なハンディを抱えながら創作を続け、36歳でこの世を去った。死後40年、再評価の機運が高まる中、学生時代からの友人だった写真家・三浦和人は、この夏、牛腸のネガのプリントに挑んだ。浮かび上がる牛腸の「まなざし」とは。
友よ 写真よ 写真家 牛腸茂雄との日々 - 日曜美術館 - NHK

その牛腸茂雄です。

彼が桑沢デザイン研究所の出身だと知ってがぜん身近に感じて
日曜美術館を見入るようにして見ました。

桑沢は2年制の学校ですが、校舎は渋谷にあってあか抜けてるし
4年制の美大生より専門性が高くて、現場では頭が上がらなかったのです。

桑沢デザイン研究所 日本で最初のデザイン専門学校で未来を創造する



そんな牛腸茂雄ですが、ごらんのように
3歳から胸椎カリエスを患って成長が止まり、背中が曲がる障害を抱え

それゆえ66などの大型のカメラで撮影することができずに
一眼レフカメラで、スナップショットを多く撮る写真家になったのです。



そのほとんどが白黒写真です。


この何気ない写真。

僕にはない感性なので、いっぺんに魅了されました。



こういうポートレートは簡単なようで難しいのです。
帽子をかぶった女性はカメラを意識しています。

カメラを意識した被写体に対して正面から撮るのは
プロカメラマンしかできないと思うのです。

半端な気持ちで被写体に正対して撮れるのは
牛腸がすでにプロだという証だと思うのです。

彼は22才で桑沢を卒業し25才で写真集を出しています。
もうこの時彼はプロのカメラマンだったのです。



写真展にはベタ焼きの写真が何点か展示されてました。
これが良かったです。

デジタルカメラはいくらでも撮って消去すればいいのですが
フイルム写真は一枚一枚が命がけだと思います。

シャッター1枚へ思いはいまのデジタルカメラでは想像できないです。
良い写真が撮れててくれ!と祈るように現像してたと思います。



見てほしいのは中央の1枚。


牛腸を代表する写真です。

それにしても、牛腸は僕の5つ先輩なのに
町の風景が10年くらい差があるように感じます。

僕が初めて一眼レフをもって街を撮影しに行ったのは
自由が丘だったのですが、その街の風景と比べると

牛腸の写真は戦後間もないころのようです。



これも僕には撮れない写真です。
初めにお見せした窓際の犬もそうですが

この墓地にいる犬も、言ってしまえば意味が分からない。
写真に意味を求めてはいけないのかも知れないけれど、分からない。(笑)



それに比較して、この写真は分かる。(笑)
牛腸と結婚式帰りの人と、関係性は分かりませんが

でも物語がある。
この写真は素晴らしいと思います。



これも僕には撮れない写真です。
撮るのは簡単でも、選に漏れてしまうと思う。

だから何度見ても僕をうならせます。



そして牛腸を代表する一連のポートレートです。



中央の顔いっぱいの女性は牛腸の母親です。

これもベタ焼きの写真があって、数多くのカットの中から
この1枚を写真集に載せてることが分かります。



牛腸の写真はほとんどが白黒ですが
カラー写真もこうして残されてます。

しかし不思議なことにカラーのほうが説得力がないのです。
僕もいつか白黒で撮ってみたいです。
(どんなデジカメも白黒モードがあります)

でも、ぜったいに白黒写真は難しいと思ってしまう。(笑)



そして牛腸が使った一眼レフカメラ。僕にも懐かしいです。

僕がデザイナーだったころ、キヤノン銀座ショールームの
AE-1のディスプレーをやってたからです。

ちょうどそのころ牛腸が使ってたと思うと、感慨深いです。



そろそろ牛腸茂雄の紹介も最後です。

このベタ焼きは牛腸の代表作の1枚です。


写真だけ見ると独特の世界観を感じますが
じつは花火大会の1シーンなのです。

種を明かしては身も蓋もないかもしれない。(笑)



牛腸の写真は僕にはないものばかりです。

そばに置いておきたくて、全集を買いました。



36才でなくなった牛腸。
しかし子供のころから死を意識していた牛腸。

ひとの一生はその長さではないとつくづく思うのです。






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