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なぜ論語は「善」なのに儒教は「悪」なのか = 日本と中韓「道徳格差」の核心 = [徒然に]

 
2021-11-29 No.5263(So-net 2975+2288) 2020年Blog WebDiary Since 2002



今日はこの本の紹介をしたいのですが、
その前に昨日のNHK大河ドラマの話です。


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NHKオンデマンド 青天を衝け(37)「栄一、あがく」

この回の後半で、渋沢栄一が生活困窮者救済事業である養育院の
救済のために尽力されることが描かれています。

不思議なのは、日本経済の父と呼ばれ数多くの事業を手掛けて渋沢と
社会福祉事業に力をそそいだ彼の一見矛盾するような行動原理です。

社会福祉事業は短期的にはまったく利益をもたらさない活動です。
それをなぜ渋沢は必死になって、守り育てたのでしょう?

それを理解するには、渋沢が後年各地で公演して諭した言葉を集めた
「論語と算盤」で以下のように述べてます。


幼少期に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益(=算盤)の両立を掲げ、経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにする為に、富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に自身にも心がけた。 『論語と算盤』にはその理念が端的に次のように述べられている。
「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。」
渋沢栄一 道徳経済合一説 - Wikipedia

少しわかりづらいのですが、要は資本主義が盛んになると
経済格差が生まれ、それを解消しない限り経済が好循環しない。

道理を得て(筋が通って)富貴を求めることは正しい道であり
正しく富貴になるには、経済格差の解消が必要だと言うのです。

そこで渋沢は経済格差是正として福祉事業に力を注いだのです。

「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。」
ここで、やっと今日の本題の「論語」が出てきます。

渋沢少年も血洗島で「論語」を学んでいました。
それは江戸期から脈々と受け継がれてきた日本の教育の根幹です。


『論語』は、2500年たった今でも多くの人に読まれつづけています。そして、『論語』に登場する孔子の言葉は、「格言(かくげん)」として今でも生きています。たとえば、「故(ふる)きを温めて新しきを知る(温故知新:おんこちしん)」――過去(かこ)のものをよく勉強して、そこから新しい発見をする。「一を聞きて以(も)つて十を知る」――一つのことを聞いただけで、十のアイデアを思いつくことができる。「義(ぎ)を見てなさざるは、勇(ゆう)無(な)きなり」――やらなければならないことを目の前にしながら何もしないのは、勇気がないことだ。
論語 おはなしのくにクラシック NHK for School

僕らは「論語」を直に学ばなくとも、「温故知新」など
知らず知らずに「論語」と身近に接していたのです。

ところで、「論語」とはなんでしょう?
「孔子」とは誰でしょう?


春秋時代、紀元前550年ころの中国の思想家、哲学者。儒家の始祖
孔子 - Wikipedia

この「孔子は儒教の始祖」と言うのが、大間違いだったのです!




論語はすなわち儒教のことである――日本人の多くにとっての「常識」であろう。
ところが、実はそうではない。
子供のころ、祖父の摩訶不思議な「教え」から『論語』に接した著者は、のちに儒教の持つ残酷な側面を知り、強い葛藤を抱く。
実際の孔子は「聖人」であったのか?なぜ『論語』は絶対に読むべきなのか? 御用教学・儒教の成立と悪用される孔子、朱子学の誕生と儒教原理主義の悲劇など、中国思想史の分析を重ねた果てに著者がたどり着いた答えは、
なんと「論語は儒教ではない」というものだった。
曇りのない目で孔子の言葉に触れ、『論語』を人生に生かすための画期的な書。
なぜ論語は「善」なのに、儒教は「悪」なのか
日本と中韓「道徳格差」の核心 | 石 平| Amazon

この本で、やっとわかったのです。

孔子と儒教の関係、孟子、荀子、そして最悪で残忍な朱子学のこと。
仏教、道教、陽明学などこれらの宗教と儒教の関係も分かります。

とにかく、孔子は儒教の始祖ではないのです!

中国、韓国は儒教、朱子学に支配され、日本は自分たちで論語を
愛読し孔子の精神を心得たという、大きな違い。

朱子学に囚われた中国、韓国と違い、朱子学に反旗を翻した日本の
儒学者たち!

とりわけ「論語」を「最上至極宇宙第一の書」とした伊藤仁斎!
伊藤仁斎 - Wikipedia

この違いが日本人と中国人、韓国人との道徳格差が生まれのです!
これが渋沢栄一の「論語と算盤(そろばん)」になっていくのです。

最後に



安岡定子先生の葉書:IDEA's Gallery 2011-11-19




安岡定子先生の本から、僕の好きな孔子の言葉を添えます。


泰伯八

子曰わく、
詩に興り、礼に立ち、楽に成る。

孔子先生はおっしゃった。「人は詩によって奮い立ち
礼(人の守るべき礼儀やきまり)によって行動し
音楽によって人格を完成する。」


孔子の素晴らしい言葉です。
人間賛歌です!

人としての豊かさを求める孔子の言葉です。
原理主義の朱子学とは大違いなのです。

いやー、コナちゃんが舞い降りてきたみたいです。(涙笑)



孔子、論語、そして中韓「道徳格差」に興味のある方は

ぜひ、この本をお勧めします!(笑)







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paula

本買いました。
面白そうです。
by paula (2021-11-30 11:56) 

いであ

paulaさん、ありがとうございます。
ちょっと退屈なところがある本ですが、勉強になります。
いままで知らなかった儒教、孔子、孟子、荀子
仏教、道教、陽明学などなど
いままでちんぷんかんぷんだったのが、よーくわかるようになります。
また、論語についても勉強になります。
日本人には論語は江戸期から教養の源だったのだと思います。
ぜひ、最後まで読んでみてください。

by いであ (2021-11-30 19:49) 

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