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「竜馬がゆく」に見る武士道 [映画・TV・本]

  
平成24年9月23日(日)月歴8月8日 2011年Blog
  
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司馬遼太郎 竜馬がゆく
文庫8巻を読み終わりました。8月末から読み始めたので3週間ちょっと。
400ページを二日のペースで一気に読みました。実に面白かったです。

今日は「竜馬がゆく」の感想を書く前に、本のなかにあり司馬遼太郎が
書いた言葉のなかで心に残った「武士道」について紹介したいと思います。

そもそも「竜馬がゆく」を読もうと思ったのは、藤原正彦「国家の品格」と
「日本人の誇り」の歴史解釈が過激だったため、そのバランスを取ろうと
「坂本龍馬」を思い起こしたのです。

龍馬こそ中庸の人だと思っていたので、坂本竜馬を知る事で幕末から
いまに至る日本を考えるに相応しいと思ったのです。

ただいま勉強中 ― 学ぶに遅きことなし ―(Blog)

さて、その「竜馬がゆく」にある「武士道」です。

司馬遼太郎は「竜馬がゆく」の中で武士の戦いの場面、剣道の試合や
刃を交えた戦いでの表現が細かくかつ深く、剣道をやっていたのか?と
思うのですが、調べるとどうもそのような事はありません。

しかし剣道をやっていたごとく、よく書かれていて、当然「武士道」にも
非常に精通していて、人物の精神的な側面をよく表しているのです。

その結果、僕が読んだ新渡戸稲造「武士道」内田樹「日本辺境論」では
得られなかった武士道の解釈を得たのです。

プールでの出来事(Blog)に書いた藤原正彦「国家の品格」の言葉
「卑怯なことをやってはいけない」

一つ、大きい者が小さな者を殴ってはいけない
二つ、大勢で一人をやっつけてはいけない
三つ、男が女を殴ってはいけない
四つ、武器を手にして喧嘩をしてはいけない
五つ、相手が泣いたり謝ったりしたらすぐやめる
これも非常にわかりやすかったのですが、もっと端的に
武士とは?と納得する事が書かれていたのです。

「司馬遼太郎 竜馬がゆく」文庫4巻p266
 武士の虚栄は、その最期にある。
 切腹のことだ。どうだみごとに腹を切れるかが、
 ――おれはこんな男だ。
 と自分を語るもっとも雄弁な表現方法であるとされた。
 だから武士の家では、男の子が元服する前に、入念に切腹の作法を教える。
 筆者は、日本人に死を軽んする伝統があったというのではなく、人間の最も克服困難とされる死への恐怖を、それをおさえつけて自在にすることによって精神の緊張と美と真の自由を生みだそうとしたものだと思う。その意味では切腹は単にそのあらわれにすぎないが、その背景には世界の文化史のなかで屹立しているこの国の特異な精神文化がある。その是非を論じるのではない。ある、ということを知るだけでよい。
 もっとも武士の切腹が「美」にまで高まり、かつその例がもっとも多かったのは戦国時代と幕末であって、徳川中期の泰平の世にはうとんぜられた。扇腹というのがあって、短刀のかわりに扇を腹にあてるだけで、背後から介錯人が首を落としてくれた。元禄の赤穂浪士でさえ、切腹の前夜、その仕方を知らず、ひとに教えを乞う者があったという。
 が、戦国、幕末といったように時代がたぎり、緊張してくると、男というのは自分が男であることの美を表現そうとする。この時代数えきれぬほどの武士が切腹したが、ことごとくみごとであった。

どうでしょうか? 切腹などは今の日本人には、司馬遼太郎が書く
「泰平の世」には考えられない事です。しかし、大事なものがある。

日本人が忘れてきた「武士道」こそ、大事なのではと思うのです。

先に書いた「卑怯なことをやってはいけない」。そして、武士道の
作法、所作振る舞いすべてを学び直さなくてはならないと思うのです。

さて「竜馬がゆく」を読み終わり、次は「坂の上の雲」 全8巻セットを
取り寄せました。この後ゆっくり読みたいと思います。

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コメント 4

song4u

ぼくもいであさんに触発されて、あれ以来、色々と勉強中であります。
ぼくの場合、まだまだ途中経過ですが、我が日本という国は類い稀な国だ
ということが、おぼろげながら判明いたしております。
by song4u (2012-09-23 12:24) 

いであ

そうなんです!
日本は西洋諸国の文明とは異にするのです!
もっと日本固有の文化を大事にして継承しなくては!と思うのです。
それでも、西洋文化も同時に取り入れられる。
その柔軟性こそ素晴らしいと思うのです。
ぜひ、song4uさんのお話を楽しみ二しています。
by いであ (2012-09-23 13:38) 

NO14Ruggerman

昨日テレビのある番組(再放送かも?)で、
今英国内で日本語デザインのブランドファッションが
大流行していると、取り上げていました。

【super dry『極度乾燥(しなさい)』】
(何でも複雑な漢字と容易な平仮名の
 組合せが受けているそうです)

フランスでは結構以前から日本の文化(アニメやファッションなど)
が評価されていましたが、ついにグレートブリテンでも
日本文化が流行してきたそうです。
これはひとえに日本人の創造性、神秘性、沈着冷静さに
世界一プライドが高いと言われる英国人も
一目を置くようになった、と解説していました。

隣国は経済成長が著しく伸長している反面、日本は
失われた20年と言われいまだ抜け出せていません。
そんな状況が少なからず領土問題を一層難しくしている
ものだと考えます。

経済の復興と文化で世界の主導権を握るべく
「継承と創造」を発揮してゆきたいですね。
by NO14Ruggerman (2012-09-23 16:34) 

いであ

ラガーさん!やっぱりハラキリですよ!
西洋人に何を言っても、ハラキリの文化は理解出来ないです。

ハラキリの伝統は僕らには理解できます。
しかし、西洋人には理解出来ないです。

そこが僕らの強みです。
彼らには理解出来ない。そこが僕らの強みです。

領土問題なんてどうでもいいのです。
彼ら(西洋人も、隣国も)相手にしないことです。
いかに、僕らの文化を伝承するか、いなか。


by いであ (2012-09-23 19:49) 

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