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映画「日日是好日」 = お湯の音を聴き 水の音を聴く = [映画・TV・本]

 
2019-09-20 No.4999(So-net 2711+2288) 2018年Blog WebDiary Since 2002

日日是好日は「 にちにちこれこうにち 」と読んだり
日常的には「 ひびこれこうじつ 」と読んだりします。

しかしこの映画では「 にちにちこれこうじつ 」と読ませています。

キネカ大森で「モリのいる場所」の名画座2本立てで見てきました。

「モリのいる場所」はフィルマーク Filmarks には書こうと思ってますが
ここではあえて書きませんが、樹木希林特集だったのでしょうか。

それにしても、2本立ては4時間にも及びます。
お尻が痛くて何度も席の中でもがきました。

でも、隣にいるおばさん達は身動きしません。
なんでお尻が痛くならないのだろう?

もう2本立ては経験したのでいいや。(笑)



生きていて「日本人に生まれて良かった」と思う瞬間が多くあります。
多くは美味しいものを食べるとき。

春は筍。
生で刺身にしても、煮付けても、松茸ごはんにしても

日本人に生まれて良かったと思う瞬間です。

夏はどぜうにうなぎ。
どぜうは鍋、うなぎはもちろん蒲焼き。

そして、もうそろそろ松茸が出回ります。
お吸い物、松茸ごはん。

春夏秋冬
いつの季節も味覚で日本の良さを再確認させてくれます。

映画「日日是好日」はそういう映画です。
静かな映画です。

ハリウッドの爆音ムービーも嫌いじゃない。
でも、キネカ大森で日本映画を2本見ていると

音がまったくない、無音を聴くシーンがいくつもあるのです。
これがいい。

再発見しました。
日本ってやっぱりいいな。

黒木華がお湯の音と、水の音を聴き分けるシーンがあります。
これは樹木希林のおっしょさんの導きです。

茶道を習っていたアッコさんに聞きましたが
そんな事は習わなかったと言ってました。

師匠によって習うことが違うのですね。
黒木華は師匠に恵まれたなと映画を観ながら思いました。

そうそ、樹木希林の師匠で思い出した。
典子(黒木華)が初めてお茶を習いに樹木希林の家を訪ねたとき

樹木希林が嬉々として黒木たち二人を迎えるのです。
茶道の先生はそんな喜びを表に出して良いのかと思ったのですが

お点前の時はもちろん、静寂そのものです。
静かな所作とあの二人を出迎えた時の違いはなんだろう。

それが樹木希林の演技、監督の意図であったと後で分かります。
同じようなことが玄関に靴や草履を脱ぐシーンにも感じます。

動と静なのかな。

そして庭の風景です。
つくばいの音、庭の葉っぱの音。

または二十四節気の言葉。
少なくともこの24語だけでも、月日を明確に覚えなくては。

良い映画でした。
ただ評価は3.8です。

4.0にならないのは冒頭のシーンが残念だからです。
日本の一般的な住宅を普通に写したシーンから始まります。

すべては初めと終わりのシーンが肝心だと思うのです。

典子の子供のころの思い出として
フェデリコ・フェリーニの「」を見てきて家に帰ってきたところ。

僕は映画は非日常を見に行くものだと思うのですが
ハリウッドの爆音ムービーがその例です。

日本映画のような静かな映画でも日常を描いているようでも
観る者とは違う世界に一瞬でも連れてゆくものだと思うのです。

それが自分と同じような住宅から始まっては興ざめです。

僕ならそうだな、「道」を観たというなら映画館のシーンか
日日是好日のお軸のシーンから始めます。

いや、不遜でした。すいません。

日日是好日はまだどこかで観る機会があると思います。
ぜひ観て欲しい1本です。







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