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大島真寿美 「やがて目覚めない朝が来る」 [映画・TV・本]

 
No.4116(So-net 1828+ Diary 2288) 2015年Blog WebDiary Since 2002



この話の前にテディからだ。



最近よく吐く。
もう20才なのだから仕方ないが、日に何度も。

いや、元気なのだ。
耳が聞こえなくなってよけいに鳴く声が大きくなり、元気度が増した。

それ以外はこうして一日中寝ている。

ところが今朝、違うさっきの夜中。
猛烈な勢いで鳴く声に目が覚めた。

近所の猫が近くにいるとき威嚇する鳴き声だ!
腹の底からぐわぁ~ぐわぉ~

あまりの声に眠りから覚めうつらうつらと時計を見ると
12時だ。部屋だから近所の猫がそばにいるわけない

とにかく起きてテディを見ると今度は静かに鳴いて落ち着いた。
何か夢でも見たのだろうか?それともついに呆けたのか?

テディも人間で言えば90才か100才だ。
吐いた汚物も平気によたよた歩く。そんな最近のテディ。



そして母。
先月のホームステイから帰ってきてからずいぶん気弱になった。

本格的に老人ホームに入りたいと言いだしたのだ。
以前からホームに入りたいと言う事はあっても、今回ほどではなかった。

もう足腰が動かないからホームに入りたいと言うのだ。

我が家は長屋になっていて、母は隣りの別棟に一人で暮らしている。
だから多くの事は母が一人でやっている。

もちろん、毎日何度も顔を出して様子を見るし、洗濯物の出し入れなど
出来るだけの事はしているし、ヘルパーさんを頼もうかと聞くとそれはいらないと言う。

僕がヤカンでお湯を沸かしてポットに入れようとすると
ちゃんと歩いてきて、こうするんだと後ろから指示をする。

歩けるのだ。
ただ歩くのが大変になってきた。そういう事なのだと思う。

そして先日、毎日飲む薬を小袋に入れていて、それが出来ないと愚痴を言い出した。

だったら前に自分でやっていたように入れればいいじゃないか!
と、つい語気を荒めて言ってしまった。

それが大変なんだよとまた愚痴る。

僕だって生きていくのに大変なんだよ!
誰だって大変なんだよ!

そこにちょうど近所の斎藤さんが来てくれた。
僕は部屋を出て行ってまた様子を見にいったら斎藤さんが薬の小袋を分けていた。

そしてあつこさんも仕事が終わってその後様子を見にいった。

最近はあつこさんが母の面倒をよく見て、ケースワーカーと話して
老人ホームのことやなにやかやとよくやってくれている。

そんな時にこの本を読み終えた。


やがて目覚めない朝が来る 大島 真寿美 Amazon

最近なぜかテレビを見るより本を読むことが多い。
いや、テレビは録画でしか見ないからテレビを見るとは言わないかも知れない。

とにかく、大島真寿美は読んだことがなかった。
「ピエタ」は聞いたことがあるが、たまたまAmazonが僕に勧めてきたので買ったのだ。

買う前に大島真寿美だったら「ピエタ」か?と思ったが、この本にした。
「やがて目覚めない朝が来る」 このタイトルに惹かれたからだ。

冒頭、1行目から”蕗さん”の名前が出てきた。



江國香織の「すいかの匂い」にも蕗子さんって出てくる。
だから一瞬身構えた。
でも違った。怖い話じゃなかった。

蕗さんは結果的にすごい人だったのだが、それが淡々と描かれてゆく。
すごい日常だと世間からは思えるのに静かに、主人公が10代からずっと描かれてゆく。

しかし後半は一気にスピードアップして数年が数行で描かれる。
デフォルメは好きだ。
何も事細かに描く必要はないし、どんどん肉を削って骨だけでもいい。

そのお陰でだから良い本に仕上がったと思う。
★3.6

もっと高得点にしたい。
しかし、母を見ているとどうも違う。

介護の現場?

僕はまだ介護の現場にはなってないが、これから数年いやもっと。
僕には待っている。だから最後は近しく読めなかったのだ。

でも、静かで良い本です。
もっと高い点にするかな?







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paula

テディもティーちゃんも100歳です。
先日お医者さんが言ってました。ティーちゃんは100歳ですけど元気だね。って。
だからテディは120歳かな。
吐くのも寝てばっかりも仕方ないですね。お年寄りだもの。
でもまだまだ頑張ってもらいたい。

お母様のお話を読んで日頃思っている私の母に対する思いとだぶりました。
私は母に優しく出来ないの。世間でも娘はキツい(笑)といわれるけど私はキツすぎて自己嫌悪になります。
考えても仕方ないけど毎日のように考えています。
by paula (2016-11-30 07:32) 

いであ

これからテディを見送るのかと思うと気が重くなります。
20年前の前の猫、キャルが死んだのを思い出します。
いまキャルは庭で寝てます。
動物はこれが嫌ですよね。

paulaさんがお母さんにキツイのも仕方ないです。
だから親子なんだと思います。
親子だから他人よりキツくなる。仕方ないし、お母さんも分かってますよ。
paulaさんもうちも、これからが大変です。

by いであ (2016-11-30 08:23) 

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